建築マップ「米子市周辺」
灘町後藤家
京都野村別邸「碧雲荘」の茶亭を建てた、京都の数寄屋大工「北村捨次郎」の手による建物で、米子では珍しい京都風の数寄屋建築である。
東・南・西三面を犬矢来付の板塀で囲んだ、東西に細長い敷地にある建物は、一部2階建の主屋と、渡り廊下でつながる離れ座敷を中心とする構成で、土蔵とRC造の洋館を主屋の南に廊下で繋げ、北西隅には2棟の土蔵を離れ座敷と廊下でつないで配置し、南面の表門両脇には茶屋、待合を設けている。主屋と離れ座敷の屋根はむくりがあり、深い化粧庇により南庭との一体化が図られている。
現在は空家で、傷みがすすんでいるが、貴重な建築なので早急な対応が望まれる。
(「鳥取県の近代化遺産」を参照)
(Yk)
photo by YAMASAKI Kazuya